2025.7.28 夏季研修大会『第4分科会』

  1. 日時  2025年 7月28日(月) 13:00~16:00
  2. 講師  江口 颯良先生(ravide 代表取締役)
  3. 講演テーマ 子どもと楽しむ食育
  4. 記録者 (コスモス幼稚園 上條由里子・金井真歩・寺嶋結菜)
  5. 講演内容   食育の方法についてお話をしていただきました。
1. 食べたくなったら食べればいい

・内発的動機付け…内面に沸き起こった興味・関心・意欲に動機付けられる
「食」について体験・体感的な遊びを通して興味・関心・意欲から学んでいくことが重要である。

2. 3つの食育

1.体感型食育…こどもたちが最も美味しい状態の食材の味を感じられる食育
色、におい、音の何かに興味をもつ。ねらいをもたず、達成を求めない。
2.体験型食育…体感型食育の経験から自分の好き嫌いを調理で表現し、食材だけでなく科学や数字にも
興味関心が生まれる食育
3.Art食育…こどもが【何か】を表現でき、最後はそれを食べることができる食育
ねらいや目的によって活動を決めていくことが大切である。

3. 興味・関心から心が動く提案

導入→観察→共食

①導入
・食とは離れ、こどもの身近なもの(塗り絵、会話、絵本等)から始めると良い。
・想像が生まれる時間をつくることが重要であるため時間の余裕をもって行うと良い。
・対話から活動を一緒に作っていく。その時に正解を教えないことが大切。
②観察<問いかけと間>
・物があるとまずはじっと見ているので、ゆっくりと見る時間をとる。それだけでは発展しないため問いかけをする。
・「どうだった?」「どんなー?」を大人の口癖にすることを心掛け、「○○だよね」と決めつけるのではなくこどもたちの一人ひとりの言葉の表現を大切にする。
・興味関心を途切れさせないため、大人はファシリテーター役になる。大人は体験に言葉をそえる。
③共食
・みんなで食べることが大切である。
・食育は五感を使うことができ、体験が学びにつながる。
・全ての種類を一斉に配るのではなく、1つずつ種類ごとに配ると良い。1回で終わらせず継続的に行うことが大切である。
・「おいしい?」ではなく「どんな味がする?」と聞く。
・食べるときの温度は少し熱いくらいがいい。
・肯定的、否定的な意見のどちらも大切にする

実際に調理体験をすることで食への興味・関心がどのように高まるのかを学びました。

<体感型食育:なす・ズッキーニ>
焼いたときの音や匂いを楽しんだり、色の変化を楽しんだりしました。実際に食べ、塩での味付けでもおいしく食べられることを知りました。
また、こどもの好き嫌いは味よりも触感を嫌がるこどもが多い。塩味は触感よりも先に感じるため塩でも味付けだとこどもたちは食べやすいと学びました。

<体験型食育:ガスパチョスープ>
グループごとにガスパチョスープをつくりました。
グループで意見を出し合いながら200gの野菜を考え、調理しました。

食育は【特別な活動】と考えるのではなく、日々の保育の延長で楽しく行うことが大切である。食べるのが嫌いなこどもでも自由参加にして「食べたくなかったら食べなくてもいいよ」と声をかけると参加しやすくなると知りました。食育は何かを食べられるようになる事だけでなく、調理を通して道具の使い方を知ったりグループで行うと話し合いの経験にもつながったりするため過程を大切にして行っていくと良いことを学びました。

体験し学んだことを振り返り、今後の保育にどのように活かしていくのかをグループで話し合いました。