24.07.29 夏期研修大会『第3分科会』

日時  2024年 7月29日(月) 13:00~16:00
講師  塚本 美知子先生 (聖徳大学短期大学部)
講演テーマ 日々の記録の取り方とその記録の生かし方
記録者 (コスモス幼稚園 上條 由里子・増島 有美・寺嶋 結菜)
講演内容 記録の取り方やその後の活かし方についての講話をしていただきました。

1.記録の意義
記録を取ることは幼児理解を深めたり自分の保育を振り返り、次の保育につなげたりすることができる。
保育は、こどもを理解することの上に成立する。
こどもの行動の読み取りは、人によって捉え方が異なるため、自分の見方を絶対視せず記録を他者に読んでもらうことや意見交換をすると深い学びにつながっていく。
保護者の方に様子を伝える際にも活用することができる。

2.記録の方法・取り方
記録は視点を決めて、教師が書きたいと思ったこと、重要だと感じた場面を書くと良い。
子どもの行動を記録する際、そこにいない人にも状況や雰囲気を伝えることができるよう、具体的に書くと良い。例えば、「楽しそう」ではなく「にっこりと笑いながら」等、具体的な姿を記録する。
また、活動の羅列にならないよう、こどもたちの心の動き、遊びの変化、友だちとの関係性を書くと良い。
しかし、実際に書いてみると、こどもたちの声を聞き漏らしたり、遊びが次々に変わっていったり等、こどもたちの言動、行動に教師の手が追い付かないこともある。そのような時には写真、ビデオ、ボイスレコーダーを活用する方法もある。
他にも、名簿に書きこんでいく方法もあり、こどもの興味に気付いたり明日の予測をしたりすることができる。日案に書く記録では、遊びのメンバーや楽しんでいる内容を連続した視点でとらえることができる。

3.記録をどのように活かすか
何のために、何をかくのかという記録の目的を明確にして記録を書くと良い。
こどもの実態を把握し、動機や友達との関係を探ると次の日の保育に生かすことができる。

4.明日の保育に生かす環境を再考
 一人ひとりの興味・関心を引き出す環境や新たな活動を誘発する応答性のある環境、友だちとの遊びを進めていく楽しさを味わえる環境等を教師が設定することが重要である。
教師がこどもの話をよく聞き、こどもたちのイメージが一つになるよう援助することで、友だち同士で認め合える関係を築いたり一緒に遊んだりすることができる。

写真をみて、こどもの様子を読み取って文字化し、グループで意見交換をしました。
年齢や友だちとの関わり、前後の遊びは何かなど様々な方向から考え、話し合いを進めることができました。

グループで話し合ったことを発表すると、グループによって読み取りや援助の方法が違うことに気付き、「そんな考え方もあるね」と意見を受け止めたり共感する姿がありました。
他者と話し合うことで一つの考え方だけではなく、様々な考えに気付くことができるということをグループ討論を通して改めて学びました。